軽口雑話6


ランの花に吸い寄せられて来たハチドリです。別名ハミングバード


目次
第16話 ドリアン・フリーク1
第17話 洗濯
第18話 勘違い


第16話 ドリアン・フリーク1

 ”吉川さん、はじけましたね!”横で運転している井垣さんに言われました。
 ドリアンを食べた経験は、前にホームページに書きました。その時は、匂いを我慢して無理矢理口に放り込んだ。と言った感じで味も食感も始めてですから本当の美味しいさを感じる余裕はありませんでした。もしかすると最初の違和感は匂いよりも口の中でモタッとする食感かもしれません。カルフールに買い物に行っていやな匂いがするするのでその場所を突き詰めてゆくとドリアンでした。
 その後、何回か食べる機会がありました。だんだん食感に慣れてきました。匂いは相変わらず口の中に持ってゆくまでは我慢でした。
 ある時、上原さんと食事をした後、屋台のドリアンを食べにいきました。今までとまったく違った味に感じられました。全面的においしいのです。残ったドリアンもそのまま置いて行くのは惜しく、スチロールの箱に詰めてもらい、持ち帰って冷蔵庫で冷やして食べました。冷蔵庫の中はものすごい匂いになりましたが冷やすとまた格別な味がします。
 その数日後カルフールへ行きました。良い匂いが漂ってきます。何の匂いか分からず、匂いを突き詰めるとなんとドリアンでした。あんなに嫌な匂いのドリアンが数日のうちに良い匂いに変わってしまったのには我ながらびっくりしました。これはかみさんも一緒だったのでさらに驚きでした。この話を井垣さんにすると、”吉川さん、はじけましたね!”になるのです。井垣さんに言わせると、3回以上食べないと、はじけないそうです。ちなみに若い井垣さんは10年もこちらに住んでいますが、いまだドリアンには、はじけないようです。
 その後はドリアンフリークが始まりました。カルフールへ行くと必ずドリアンコーナーを覗きます。売り場のお兄さんとも仲良くなり、ドリアンを割っているときはどうしても見に行ってしまい、結局買う羽目になります。ドリアンにもいろいろな味のものがあります。ちょっと苦みがあるもの、やたらに甘いもの、果肉の柔らかいもの、堅めのもの、などがあります。あまり若いのよりちょっとすすみかげんのものがおいしいと思います。あまり進んだものはゲップとおならに見舞われます。食べ合わせで悪いのはアルコールだそうですが、ビールは大丈夫だとのことです。ただしビールのゲップはものすごく、匂いは毒ガス級になります。
 カルフールも閉店のころいくと、1パックRM5のドリアンが5パックRM10になります。つい買ってしまいます。ホテルは持ち込み禁止になっていますが、体験上分かったことは、嫌な匂いに感じるのは、ドリアンに慣れない人で、こちらの従業員は皆ドリアン大好き人間ですから、良い匂いに感じるはずです。持ち込んで文句を言われたことはありません。
 3回食べるとはじけますから、試食してみてはいかがですか!


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第17話 洗濯

 ”洗濯はどうされています。”ロングステイをされていた内海夫妻から聞かれました。”私達は各々風呂に入るとき洗います。”といったら”私たちも同じです。各々自分で洗います。”との事でした。アイロンの必要な物はホテルのランドリーに出します。外へ行けば4kg、数リンギットでやってもらえます。でも時間はたっぷりあるわけですから洗濯ぐらい自分でやったて罰は当たりません。
 マレーシアは、車の数は多いように思いますが、日本と比べ絶対数が少なく、排気ガスによる汚れが有りません。手で洗ってもたいした手間になりません。直射日光に当てれば、2時間でパリンパリンに乾きます。
 モスクワ駐在が始まったころホテルの一人住まいは快適でした。洗濯は面倒くさいので、一日延ばしになっていました。するとホテルのお掃除のおばさんが洗濯してくれて、洗濯物が浴室に干してありました。毎日ですから、申し訳ないと言う気持ちでいっぱいでした。しばらくすると、やっぱり俺はもてるとちょっと良い気持ちになってきました。ある時、忘れものをして部屋に帰ったのですが、ちょうどおばさんが洗濯をしているところでした。なんとトイレの便器の穴に何かをつっこみ水を張って洗面器の様にして、私のシャツを便器の底になすりつけて洗濯をしています。”わあー!”と大声を出しそうになりましたが我慢して、こらえて、おばさんに感謝の言葉を言いました。何で栓をしているのか聞いて見ると、わたしの靴下でした。聞くんじゃなかった。見てしまったらもうだめです。その洗濯した洋服と靴下は、身に着けられませんでした。以後、おばさんが気を利かせて洗ってくれる前に洗濯をすませておくように自然に習慣になってしまいました。
 今でも旅に出ると、洗濯物はお風呂の時に洗う習慣がずっと続いています。
 こういう衛生観念の差は、スラブ系の国へ行くと大きくなるように思います。マレーシアでもこのくらいのことは有りそうに思いますが、今のところ無事にすんでいます。”自分で洗った方が安心ですよ!”
 国によって衛生観念の違いや価値観の違いはどうにも摺り合わせが出来ませんが外国で暮らす以上は、この違いに神経質になると生きていけません。


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第18話 勘違い

 ”吉川さん靴下なんかはいちゃって、”ある時、国立で通っていたスポーツクラブのロッカールームで宇佐見さんに言われました。そのころ水泳を日課にしていて毎日2000mくらいは泳いでいました。その日は、調子よく2500m近く泳ぎました。くたくたになってシャワーを浴び着替えを始めました。いつもはパンツを履きズボンを履き、シャツを着て靴下を履きます。この時はどういう訳かロッカーの一番上に最後に脱いだ靴下が乗っていました。無意識に上の靴下を取って履き始めました。隣でちらっと見ていた宇佐見さんが”吉川さん靴下なんかはいちゃって、靴下なんか履くの、僕にはわかんないね!”と言いました。私は、まだパンツをはかずに靴下を履いただけでした。”なんか鉄腕アトムみたい。この窓から飛び出しそうジャン!”靴下だけ履いてぶらぶらさせているのを見て揶揄されたと思い、恥ずかしいのと相まって頭にカッ血が上りました。”靴下先に履いちゃ悪い!”と言いながらパンツを急いではきました。彼は変な顔をしています。やっぱりパンツを先に履くのが常道だよなと心の中で思いました。ムスッとして急いで洋服を着ていると、彼が部屋を出るところでした。ドアを開けながら彼は”僕なんか靴下履いたことなんかないもんね。よくそんなうっとうしい物履いていられるね。じゃあね!”と言って帰って行きました。ちょっとの間、なんか変だなと思いました。私は裸から靴下を先に履く行為を揶揄されたと思ったのです。そうではなく、彼の常識では靴下なんか履く奴は変な奴だったのです。勝手に思い違いをして腹を立てただけでした。
 数日後、結構笑い話になると思って、プールで一緒に泳いでいる笑い上戸の奥田さんにこの話をしました。さんざん笑ったあと”ところでその話どこがおもしろいの?””えっ!!!”
 時々そのことを思い出すと靴下だけ履いた自分の裸を思い浮かべ一人苦笑してしまいます。
   なんでこんな事を書いたかと言うとマレーシアに来てちょっちゅう腹を立てる事が起こります。後で考えると、何かがすれ違っていて、上に書いた事と同じ事が起こっています。相手は普通の事をしているのに、こちらだけが勝手に自分の常識に入っていないと腹を立ててしまいます。常識がすれ違っているのです。かっかするのはちょっと時間をおいてよく確かめてからでも遅くありません。それでもマレーシアでは日本人との常識のすれ違いはちょっちゅう有ります。いやありすぎます。


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−カウント開始2004年11月18日−